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この上ない、偶然と喜び ~ハノイ~ [My Traveling Bag]

今回のベトナム旅行で、最大のエポックといえば、
この人と出会うことができたことである。



所はハノイの旧市街にある楽器街(Hang Manh St.)。

この日は、口琴(Jew's Harp)を探して、この通りに
ある楽器店を回っていた。

最後に訪れた店で、一人の少し風変わりなおじさんが
口琴を弾いていた。

「無茶苦茶うまい!」

思わず拍手をすると、店頭に置いてある口琴をひとつ
ひとつ演奏しながら、「これは板材が厚く、切込がここに
入っているので、ファットな音になる」等々、頼みもしない
のに解説を始めた。

あまりに鮮やかな演奏なので、「あなたはプロの演奏家
ですか?」と尋ねたら、彼は名刺を差し出した。

パリの「Musee de l'Homme(人類学博物館)の研究員!」
「民族音楽研究家・作曲家」!

なんでも氏は40年来パリ在住で、たまたま一週間だけ
里帰りしているらしい。

すかさず楽器店の店員が彼のCDをこちらに差し出す。

このおっさん、凄い人やん!

結局、このオヤジは一時間以上店頭にある口琴のひとつ
ひとつに解説を加え、素晴しい演奏を聞かせてくれた。
さらには、ボクの気に入った口琴を試し弾きしてくれ、
「当たり」の楽器かどうかをチェックしてくれた。

お墨付きの口琴をいくつか購入したあと、いささか愚問
かと思いつつ彼に聞いた。
「ベトナムの楽器を買うのに最良の店はどこですか?」

彼は間髪を空けずに答える。
「もちろんこの店だ。この店は代々続く楽器職人が経営
している楽器店。他の店とは楽器に対する理解の深さが
違う!」

(上の写真のCDの右にある3連の口琴もこの店の主人が
 試作した物。)

結局、帰国前日にホーチミンで買おうと思っていた
DAN BAU(ベトナム独特の一弦琴)もこの店で買うことに
なった。

帰国後、ネットで彼の名前を調べたら、どれほどスゴイ人
なのかを再確認することになった。

日本でも彼のCDは入手可能である。


Dreams & Reality








さきほどメールをチェックしたら、なんと彼からメールが
入っていた。

大感激!

長時間、ベトナムの民族音楽の権威とも言えるような人
から個人的にレクチャーを受け、間近にその演奏を見る
ことができただけでなく、わざわざメールまで送ってもら
えるなんて!

クリスマスプレゼントとしては出来すぎである。

しばらく眠っていた民族音楽への気持ちが大きく揺さぶ
られることになった。


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