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ンバラを封印した理由。 「アフリカの魂 ~闘う歌手 ユッスー・ンドゥール~ 」 [My Music Box]

またまた、テレビに見入ってしまいました。
先週末に放送された「ある歌手」についての番組です。

Youssou-live l.jpg
<youssou.comより>

セネガルの国民的歌手、ユッスー・ンドゥール(詳細は
こちらなどでどうぞ)の半生、そして2004年にグラミー
賞を受賞したアルバム「エジプト」製作の舞台裏を描いた
ドキュメント。

ピーター・ゲイブリエルとの共演で彼を知って以来、ボク
は彼の大ファンです。
89年に大阪で見た彼のライブは、圧巻の一言。
今もって、これまで見たライブの中でベストのものです!

鋭くリズムを刻むドラムに、トーキングドラムをはじめと
するパーカッションが複雑に絡み合い、新たなうねりを
生み出していく。
はじめて体感するポリリズムに、どのように体を動かせ
ばよいのか分からず、戸惑うばかりのボクをその場に
置き去りにしたまま、ユッスーの圧倒的なハイトーン・
ヴォーカルが会場に響き渡る。

本当に強烈な体験でした。


それゆえに、初めて「エジプト」を聴いた時には、その
「いかにも」なアラブ風の曲調にかなりの違和感を持ち、
正直「こんなもん買って、失敗した。。。こんなんユッスー
とちゃうわー!」と思ったのでした。

今回このドキュメントを見ることで、ようやくこのアルバム
を(少なくとも表面的には)理解することが出来たような
気がしました。

アルバム製作時の時代背景としては、NYであの9.11が
起こり、欧米を中心にイスラームへの偏見や憎悪が広がっ
た時期と符合します。

敬虔なムスリムであるユッスーの胸中が穏やかではなか
ったであろうことは容易に想像できます。

彼はこのアルバムを作ることでムスリムの連帯を呼びかける
とともに、非イスラーム圏に対して、イスラームの本来の姿
(愛と寛容)を伝える役目を担おうとしたことが番組で描かれ
ます。

しかし意外なことにこのアルバムは、発売時に彼の故国である
セネガルでは大変な不評で、返品の山が築かれたそうです。

タブーとされている、ラマダン中にアルバムをリリースしたことを
はじめ、宗教上の微妙な部分で一線を越えたと誤解されてしま
ったことが理由とされています。

そのあたりの機微に触れる点は、ボクの理解の範疇を超えて
いますが、やはりユッスーの代名詞でもある「ンバラ(mbalax)
をあえて封印したことの真意が理解されず、ファンを混乱させて
しまったことも大きいのではないでしょうか。。。?

結局は幾多の紆余曲折を経て、グラミーを獲得したことにより
ユッスーは改めてセネガルのファンに大喝采で迎えられること
になります。

そしてNYのカーネギーホールでの彼のライブが始まり、ユッス
ーがステージに向かって歩き出すところで、このドキュメントは
終わります。

いやー、本当に見応えのある番組でした。
このドキュメント(原題: I Bring What I Love)は、米国の制作
会社の作ったもので、現在欧米で劇場公開されているようです。

NHKには何人かユッスーのファンの方がいるらしく、彼が来日
すると「きょうの世界」という番組(私はこの番組のファンです)で
インタビューを放送してくれたりするのでひそかに感謝してます!
(今回も放映権って高かったのでは?)




もう少しイスラームのことも知らなくては!などと思って、近所の
図書館で、簡単な入門書を借りて読み始めました。
あまりに知らないことばかりで、自分の無知に改めて驚いて
います。
(「イスラム教」ではなく、「イスラーム」と呼ぶのが正解、等々)












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