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これでもか!の輝き ~「ベル・エポックの輝き」展~ [つれづれ]

生まれてこのかた、宝石やジュエリーに興味はなかったし、
美しいと思ったこともなかった。
不惑にして、初めてそれを美しいと感じた。

現在、大丸ミュージアム・心斎橋で開催されている
「ベル・エポックの輝き」展にて。
1906年頃のショーメ作「ガーランド・スタイルのストマッカー」
が「それ」である。

プラチナのベースに無数の小粒のダイヤモンドが散りばめられ、
ブルーサファイアは光を浴びて、限りなく透き通っている。
ダイヤがどのようにカッティングされているのか肉眼では見る
ことができなかったが、これでもかというぐらいの輝きを放つ。
まばゆいばかり、とはこういうことを言うのか。

不覚にも見とれてしまった。。。全く柄でもないが。
上に引用させていただいた画像では、なかなか現物の
美しさが表現しきれていないのが残念である。

この展覧会で、最も気になっていたのは、1925年頃製作された
ヴァシュロン・コンスタンタンの「フォブ・ウォッチ」であった。
。。。が、よくよく見ると角ばったケースと鎖の先についた鎖留めは、
どうみても印籠と根付の焼き直しにしか見えず、アール・ヌーボー
の一要素でもあるジャポニズムが色濃く出ている。
青ベースのクロワゾネは、カワセミと草木の意匠であり、日本の
職人が欧州向けに造ったと言われれば、素直に信じてしまいそう
である。

時計本体には特筆すべきところはなかったが、天下の老舗も
かつてはこんなものを造っていたのかと新鮮に感じられる。
年代的には微妙な時期ではあるが、当時流行したモードを
積極的に取り入れているところは、現在のコンサバ然とした
同社のイメージとは一線を画しているようにも思える。
もしかしたら現代でも似たような作品をワンオフ物で造っている
のかもしれないが。

この他にも当展覧会では、ルネ・ラリックの作品群を堪能すること
ができた。惜しむらくは、エミール・ガレのランプ類が数点のみの
展示であり、あまり自分好みの意匠のものがなかったことか。。。

時計マニアには、それほど重要な展示品はないかも知れないが、
他にもカルティエのティアラをはじめ、贅を尽くした美しさを十二分
に楽しめ、表題のベル・エポックの息吹を感じることができる。

もっとも個人的には、アール・ヌーボーからアール・デコに至る
時計デザインの変遷を、宝飾品や工芸品をも取り混ぜながら概観
できるような展覧会があれば、少なくとも3回は通うはずであるの
だが。。。

誰か企画してください!


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