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表参道に変拍子が流れる日は来るのか? [My Music Box]

テレビを見ていたら、聞き覚えのある曲が流れてきた。
ロバート・フリップ師の特徴的なギター・リフ。

オダギリジョーが出ているクルマのCMのバックに流れる
「Easy Money」である。

太陽と戦慄








ファンの間では歴代ラインナップの中でも
最強との評価も高い、
第三期キング・クリムゾンによるアルバム、
「太陽と戦慄」(1973年リリース)に収録され
た佳曲である。

4拍子のバッキングに7拍子のヴォーカル。
「21世紀の~」以降、師の代名詞にもなっている、
過剰にイコライジングされたディストーションギターが、
聞く者の心に波風を立てる。

数々の大物プログレ・バンドを渡り歩いたスーパー
ドラマーであるビル・ブラッフォードも、この時期の
ラインナップにおいては、かなりベーシックなリズムを
刻み、鬼才ジェイミー・ミューアのパーカッションが
全体に彩りを添える。

プログレッシブ・ロックが隆盛を極めた70年代中頃の空気
を存分に感じることができるが、今の若い世代は8分にも
及ぶこの曲をやはり冗長と感じてしまうのだろうか?

このアルバムは、キング・クリムゾンの数あるアルバムの
中でも特に重要な作品での一つある。
上にアルバム名を「太陽と戦慄」と書いたが、むしろ原題で
ある「Lark's Tongues in Aspic」(肉ゼリーの中のひばりの
舌)に着目していただきたい。

アルバム・ジャケットには、絡み合うように月(陰)が太陽(陽)
を包み込む様が描かれている。これは男性と女性の結合の
原理を暗示するものだそうだが、ここには梵我一如といった
インド哲学の影響も垣間見える。
(アルバムの原題も隠喩であることは、ご推察の通り)

これも時代なのか。。。
なおこの時期のクリムゾンのアルバム・ジャケットと
インド哲学で説明される世界構成要素の関連性について
も諸説あるが、ここでは割愛しよう。

個人的には、このアルバムの最後に収録されている
「Lark's Tongues in Aspic:Part Two」をお勧めしたい。
自分がクリムゾンを好きになるきっかけになった曲でも
あるが、変拍子・不協和音・ポリリズムの洪水に、是非
溺れていただきたい。

このCMが、若い女性たちに訴求することは間違いない
だろうが、これをきっかけとして、彼女たちに
「プログレ・ブーム」が到来することを切に望みたい。


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