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「ダブル」の先にあるものは? [時計よもやま]

先週末に上海で行われた「中国国際鐘表展覧会」に
初めて視察に行ってきた。
香港のウォッチ・フェアは、いつも盛況であるが、上海
は如何。。。


結論としては、かなりガッカリ。
香港フェアの規模とは比較にならない。
ブースの数は少なく、来場者もまばらであり、ゆったり
と展示品を見学することができる。

特に時計パーツのサプライヤの出展を期待していたの
だが、ほとんどはコンプリート・ウォッチの出展ばかりで
あった。(もっともパーツ・サプライヤの出展は香港でも
決して多くはないが…)

唯一の見所は、中国メーカーのトゥールビヨンの出展か。
本当に動くのか?との声もあったダブル・トゥールビヨン
だが、今回は3社が出展してきており、無事に動いてい
ることを確認できた。

天津と北京の2社は既知のモデルであったが、今回は
上海も出展してきており、なかなかの出来であった。
細部の作りこみは、3社の中でも上海のものが最も良さ
そうである。

北京は、クロワゾネのモデルも出展し独自性をアピール
しているが、上海人の友人に言わせると「北京のセンス
は最悪」ということになるようだ。

天津では、クォーター・リピーターもブースの一角にひっそり
と展示されていた。トゥールビヨンよりも、これら「鳴り物」系
の方が個人的には興味があるのだが。
天津ももっとこちらをPRすべきと思う。それともまだ大々的
に喧伝するまでには仕上がっていないのか?

しかし中国の時計メーカーは、今後どこへ向かって進んで
いくのだろう。。。

数年前、トゥールビヨン・ムーブが出始めのころ、各社が
競って製品を市場に供給し、結果として価格暴落を引き
起こすことになった。
(私の調査では、2005年度に少なくとも8,000個のトゥー
 ルビヨンが市場に供給されたはずである)

これを深く反省して、現在は高付加価値品を作り、(ムー
ブのみの供給はせず)コンプリート・ウォッチを限定生産で
販売するという戦略にでている。
経営判断として十分理解はできるが、販売単価と数量を
掛け合わせると、決して手放しで喜べるようなビジネスで
はないことが分かる。

近いうちに中国発のミニッツ・リピーターやパーぺチュアル・
カレンダーが市場に現れ、一部好事家の話題になるだろう。
しかしはたしてこれらが中国時計メーカーのブレーク・スルー
となり得るのか。。。?

いくつかのブースを見学し、少なからず閉塞感を感じた。
少し暗めの照明が私をそんな気持ちにさせたのだろうか?


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