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レーザー・ターンテーブルに思う [つれづれ]

先月、ちょっと興味深いイベントに参加してみた。
ご存知の方も多いかと思うが、ELP社の
「レーザー・ターンテーブル」の試聴会である。


080220_01.jpg

「レーザー・ターンテーブル」とは、レコード針を使用せずに
アナログレコードを再生できるプレーヤーのことで、従来の
レコードプレーヤーで使用されているカートリッジ(針)の
代わりに、光学ピックアップでレコード溝の情報を読み取り
再生するというもの。

非接触なので、レコードが磨り減る心配がないし、逆に
長年聴き込んで磨り減ってしまったレコードも、レーザーが
音溝の未使用部分を検知するので、問題なく再生できると
いうスグレ物。コアなオーディオマニアの熱烈な支持を得て
いるというのも十分頷けるし、再生音も素晴しかった。
(技術的な話や、事業立ち上げに伴うご苦労は同社のHP
 をご参照いただきたい)

自分自身は、オーディオマニアではないし、アナログ盤に
熱い思い入れがあるわけでもないので、単なる興味本位で
試聴会を覗きに行っただけだったのだが、なかなか考えさせ
られるものがあった。

このプレーヤーは、私などが言うまでもなくアナログ盤の
良さを再評価し、その膨大な文化的価値(遺産)を継承する
という点において、非常に大きな意味があるのは間違いない。

「アナログ盤」と聞くと、ついつい音楽の記録メディアという
点のみを連想してしまうが、これは同時に歴史的に貴重な
音源の記録メディアとしての側面もあるらしい。

同社の顧客リストを見ると、内外の国立図書館や教育・研究
機関が並んでいる。
なんでもこのプレーヤーの第一番目のオーダーは、カナダ
国立図書館からのもので、同館で最初に再生されたのは、
ソリが激しく二度と再生できないと思われていた、カナダの
独立宣言を録音したレコードだったという。

採算が取れずビジネスになるはずがないと、すべての
オーディオメーカーが事業化に否定的な反応を示した中で、
私財を投げ打って特許を買い取り、ゼロの状態から製品化
まで漕ぎつけた社長さんのご苦労は創造に難くない。

「企業の社会貢献」という言葉を良く耳にする。
企業メセナや、イベント協賛なども決して否定はしないが、
自らの製品そのもので、社会に貢献するっていう事こそ、
その本道なのでは?と感じてしまった。

何の力にもなれないが、心の中でエールを送りたい!











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