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「肌目」にシビレて、のち猛省  ~大西清右衛門美術館~ [京都徒然]

数年前から南部鉄瓶を愛用している。

ずっしりとした重厚な鉄の質感に魅力を感じていたのだ
が、最近鋳物独特の「肌目」が気になってしょうがなくな
ってきた。

IMG_2848s.jpg

いろいろと調べてみると、もちろん鉄瓶などにも素晴しい
物が多いのだが、どうやら鋳物を極めるには「茶の湯釜」
にまずは当たらねば、というような気がしてきた。

勉強のため、早速書籍を購入。


茶の湯の釜










「千家十職」の御釜師でもある、十六代大西清右衛門さん
の著で、写真も美しく、簡潔な説明文で初心者には最適の
良書。

巻末に「大西清右衛門美術館」というところが紹介されていた。
(京都、三条釜座。。。お気に入りのアンティーク時計屋さん
 のすぐ近くにこんなスゴイ所があったとは!)

HPを見てみると、「京釜鑑賞会」というものを定期的にやって
いて、学芸員の方の解説のもと、茶の湯釜の名品を手にとっ
て鑑賞できるという。早速美術館に電話してみると、直近の
鑑賞会に参加できるとのことだったので、先日行ってきた。

当日は、名手と言われる二代目浄清作、そして(確か)六代
浄元作の京釜などを実際に手に取って鑑賞することができた。
本当にスゴイことだと思う。

肩の部分のなだらかな曲線と釜肌に、興味津々の身としては
六代目作の少し荒らした肌目の質感にたまらなくシビレた。

学芸員の方も初心者の質問にも丁寧に答えてくれ、非常に
勉強になった。素晴しい機会なので、万人にお勧めしたい。

個人的に辛かったのは、鑑賞会の始めに「呈茶」があったこと。
お茶の心得など全くない無作法者ゆえ、お茶を楽しむ余裕など
もちろんなく、正直その時の記憶はほとんどない。
(しかし、そもそも心得もない者に、茶釜を鑑賞する資格など
 ないのかも知れないが。。。)
周りの方々にも迷惑をかけてしまったような気がして、心苦しい。

それから未だに悔い恥じているのは、会の最後にあまりにその
場に相応しくない(技術的だが、本質から逸脱した)質問をして
しまい、学芸員の方から京都ならではのタシナメを受けたこと。

自分としては、どうしてもお聞きしたいことではあったが、あの場
では、絶対にすべきでない質問だったと深く反省している。

茶の湯釜の「深さ」と自分の「浅さ」とを痛感し、得るものの多い
一日だった。

今、自分の中には一つのイメージがある。
今回目の当たりにした釜肌の質感がなければ、そのイメージは
完結しない。

再度、一から勉強し直して、いつかもう一度手に取り、あの肌目
をまじまじと凝視したい。





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