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One-of-a-Kind ?  ~クレドール・ノード、オールド・ノリタケ~  [時計よもやま]

「時計のアピアランスにどのような唯一無二の魅力
を与えるか。」
プロダクション・マネージャー達は、日々この命題に
頭を悩ませているに違いない。

特にこの地の時計メーカーにとっては、日本ならでは
のテイストを持ち、なおかつ露骨なジャポニズムは避
けつつ…となると、ハードルはどんどん高くなっていく。

クレドール・ノード 叡智.jpg

セイコーが2008年リリースした、クレドール ノード
叡智(えいち) キャリバ-7R08
は、その命題をかなり
高いレベルでクリアしていると思う。

ノリタケの工房で焼かれた磁器製の文字板は白眉。
白地に瑠璃色のインデックスは精緻かつ繊細。
2,4,7時をうっすらと白く浮き立たせる演出は、クレ
ドールならではのアイコン。

個人的には、(ムーブメントの是非はともかくとして)
すごく魅力的な一品。
・・・ではある。


現在、京都文化博物館 で、開催中の「ノリタケ・デザイン
~100年の歴史~」に行ってきた。

世界中で絶大な人気を誇る「オールドノリタケ」を中心
とした展覧会。
当初の日本的な意匠から、現地マーケティングの結果、
徐々に西洋(特に米国)好みの意匠へと変遷していく。

その意匠の変遷に伴い、欧米で圧倒的な支持を得ていく
様子が、展示品からも十分にうかがい知ることが出来る。

人気を博した要因が、何より日本の職人さん達の確かな
技量に基づく非常に高品質な製品を市場に供給し続けた
ことであるのは間違いないが、当時の彼らの廉価な労務
コストが、従来のヨーロッパ製品とは比較にならないリーズ
ナブルな価格設定を可能にしたであろうことは心に留めて
おかなければならないのだろうと思う。

事実、19世紀末から20世紀初頭の作品の解説には「絵
柄は転写、当時使用された転写紙は主にドイツ製であり、
日本の職人の手描きよりも高価であった」などという記述
があり、なにやら複雑な気持ちにさせる。

こんなことを書いて、オールド・ノリタケの価値をおとしめる
つもりは毛頭もないが、ノリタケならではの、あるいはノリ
タケでなければならない、という魅力が理解できるほどまで
には、今回の展示会を堪能できた訳ではなかった。

個人的には、欧米好みのディナーセットよりも、帝国ホテル
にかつて納品されたというフランク・ロイド・ライトのデザイン
による色絵皿やカップ&ソーサーに強く心を引かれた。
正直、欲しい。

noritake2.jpg

冒頭の命題に話を戻すと。。。
悩みは当分続くことになりそうだ。











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