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雄弁なる静謐 ~ハンス・コパー展 - 20世紀陶芸の革新 -~ [つれづれ]

数千年前の遺跡から掘り出されたかのような
粗々しい肌目。
まるで異空間から迷い込んできたのかとさえ
思わせるような、見慣れないフォルム。

「キクラデス・フォーム」 .jpg
<岐阜県現代陶芸美術館HPより>

岐阜県現代陶芸美術館で開催されていた「ハンス・
コパー展」に行ってきました。

遠目から見れば粗々しいと思っていたその肌目は
グッと近づいてよく見てみると、丁寧に磨きがかけ
られていて、しっとりと滑らか。

一見不安定なように見えたそのカタチは、実はしっ
かりと屹立しており、身じろぎすらしていない。

「ティッスル・フォーム」&「スペード・フォーム」.jpg
<岐阜県現代陶芸美術館HPより>

テレビ番組でハンス・コパー、そして彼の作品を
知った時、即座に「これはスゴイ!好きや!」と
感じました。

しかしながら、何故そう感じたのか今だにうまく
説明ができません。

古いようでいて、新しい。
粗々しそうでいて、滑らかで繊細。
モノトーンのようでいて、実に多彩。
脆く不安定なようでいて、堅くてどっしり。

あらゆる矛盾が、そこでは共存し調和している
ように思えます。

「なぜ作るのか」を自らに問い続けたという
ハンス・コパー。
彼の作品は、あまりにも寡黙です。
でもそれはただ単にボクにはまだ聞こえていな
いだけであって、雄弁に何かを語り続けている
に違いありません。





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